田中正恭の汽車旅日記

ここは、紀行作家・田中正恭 (たなかまさやす) が、つれづれなるままに各地の旅や、鉄道に関する話題について綴っており、原則として毎週日曜日に更新しています。時には鉄道以外の話題になることもありますが、よろしくお願い致します。内容につきましてのご感想や、執筆や講演などの依頼がありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。なお、写真や文章の無断転載はご遠慮願います。

種村直樹レイルウエイ・ライター40周年記念トークショー

さる10月20日に、東京・秋葉原にある書泉ブックタワー9階のイベント会場にて、宮脇俊三さんと並んで、鉄道ライターの先駆者である種村直樹さんのデビュー40周年を記念するトークショーが開かれ、その第二部の司会を、不肖、私めが努めさせていただきました。
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朝からあいにくの雨模様にもかかわらず、会場には熱心な昔からの鉄道ファンの方々が大勢詰めかけました。
コメンテーターは種村さんとゆかりの深い皆さんばかりで、かつての種村事務所のアルバイターの方たちや、編集者として長年、種村さんとお付き合いのあった方々、そして、種村さんの長女のひかりさんも出演され、終了後には皆さんと親しくお話させていただきました。

種村さんの読者を大切にする姿勢と、仕事に対する厳しさ、そして新聞記者として培った情報の正確さ、整理の方法など、身近な方ならではの様々な興味深いお話を伺うことができました。


これは、40周年を記念して発刊された『旅と鉄道増刊号』です。
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この増刊号の発刊には私は携わってはおりませんが、種村さんのこれまでの偉大な軌跡が克明に綴られていますので、ご興味のある方は、是非、お求めください。


私が本格的に列車の旅を始めた時期と、種村さんがレイルウエイ・ライターとしてデビューされた時期が一致するため、私は若いころから何度も手紙のやり取りをさせていただきました。そして、代表作である『鉄道旅行術』や、『旅と鉄道』の中に、当時の「ヤング」の一人の「田中クン」として私のことを書いて頂いたこともありました。それからおよそ30年、私がライターの端くれとして、初めて本を出版した時に拙著をお送りすると、すぐに感想を送っていただきました。さらに、縁あって鉄道ジャーナリストの親睦会「どん行会」に入会し、中央本線の茅野駅で初めてご挨拶した時に「ようやくお会いできましたね」とおっしゃられたのには感動しました。

これは、2010年秋に群馬県の四万温泉で行なわれたどん行会の写真です。
どん行会
左から南正時さん、種村直樹さん、荒川好男さん、芦原伸さんと、この業界の重鎮たちが楽しそうに熱唱されています。

その後、どん行会で各地の温泉に何度もご一緒したほか、どん行会のメンバーの出版披露パーティーや、種村さんの長年のライフワークだった外周の旅のゴールの時に、私も最終地点の日本橋にかけつけ、お祝いの宴に出席しました。
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これは、お祝いの宴でご挨拶される種村さんと奥様です。そして、右側は今回の『旅と鉄道増刊号』に載ったその時の記事ですが、その写真の中で、種村さんの隣で白いシャツ姿で拍手をしているのは私です。
宴会の席上、百人以上の出席者がおられたにもかかわらず、種村さんは私の隣に10分以上も座られて、色々なお話をしてくださいました。その時、「外周の旅で、数多くの島にも行かれたそうですが、その中で一番印象に残っておられる島はどこですか?」と私が尋ねますと、先生は間髪をいれず「それは山口県の蓋井島(ふたおいじま)です」とおっしゃいました。そのわけは。島人たちの明るい表情がとても印象的だったからだそうです。私は、その直後に蓋井島を訪れました。大型時刻表に載っていない人口わずか92人の島で、島内には交番も中学校も郵便局もなく、わずかに走っているクルマにはナンバープレートもないという、本当に小さな島でした。
蓋井夕景蓋井
この島は、山陰本線の吉見駅近くにある吉見港から小さな船で30分あまりの日本海上にあります。港まで出迎えに来てくれたおばあちゃんの民宿では、2か月ぶりの泊まり客だと大歓迎されました。よその人が島に来るのは大変珍しいことらしく、会う人、みんなに挨拶され、先生の言われるように本当に明るい島でした。そして、その次に種村さんにお会いした時に、その話をさせていただくと、懐かしそうにされていました。

そんな種村直樹さんですが、ご本人は、現在病気療養中で、トークショーの会場に姿を見せられなかったことが、誠に残念でした。どうか、一日も早く回復され、また、ご一緒に杯を交わす日が来ることを心から願っております。
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  1. 2013/10/27(日) 00:00:17|
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