田中正恭の汽車旅日記

ここは、紀行作家・田中正恭 (たなかまさやす) が、つれづれなるままに各地の旅や、鉄道に関する話題について綴っており、原則として毎週日曜日に更新しています。時には鉄道以外の話題になることもありますが、よろしくお願い致します。内容につきましてのご感想や、執筆や講演などの依頼がありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。なお、写真や文章の無断転載はご遠慮願います。

オーストラリア横断鉄道の旅

皆さん、あけましておめでとうございます。今年こそよい年になるといいですね。

さて、私は今まで、元旦を旅先で迎えたことが何度もありますが、たった一度だけ、海外の列車の中で過ごしたことがあります。もう、ずっと前のことになりましたが、1985(昭和60)年12月30日から86(昭和61)年1月1日にかけてオーストラリア横断鉄道「インディアンパシフィック号」で、東海岸のパースから西海岸のシドニーまで一人旅をしたのです。
きょうは、そんな28年前の旅のようすをご紹介しましょう。


これは、西の始発駅パースで発車を待つインディアンパシフィック号です。
1パース駅170
発車時刻は21時ちょうどでしたが、この時期の南半球は夏、まだ、西の空がわずかに明るさが残っていました。


翌朝、6時30分に到着したカルゴリー駅です。
2カルゴリー171
3カルゴリー172
いつの間にか、先頭の機関車が付け替えられていました。


オーストラリアの西南部は、どこまで行っても赤茶色の砂漠が続きます。
4赤い大地173
砂漠と言うと、アフリカなどの白い砂がどこまでも続く風景を思い浮かべますが、オーストラリアの赤い砂漠には低木も生えているのです。

ヌリナという駅を過ぎてしばらくすると、ナラーバー平原の、世界一長い直線区間に入ります。478キロもの間、一度もカーブがないのです。東京からの直線距離で神戸までと同じぐらいなのだから、これは驚異的な距離だといえます。広大なオーストラリアだからこそできる世界一の直線ですが、何の変化もない単調な荒野を、ひたすら淡々と走り続けるばかりなのでした。


これは、19時50分に着いたクック駅です。何もない大平原の中にある駅でした。
5クック174
クックから中央オーストラリア時間となるので、時計の針を90分進めます。同じ列車で時差を体験するのも大陸横断鉄道ならではですね。ちなみに、当時の私は29歳です。


どこまでも続く地平線の夕暮れです。
6地平線175
日本では絶対に見ることのできない雄大な風景に感動します。


これは、3日目の朝のラウンジカーのようすです。7ラウンジカー176
列車内にはこのようなラウンジカーが2両連結されています。
そして、その車窓から時折、野生のカンガルーやエミューを見ることができるのです。


荒野に停車中の貨物列車です。
8荒野の貨物列車177
西部を行く大陸横断鉄道では、他の列車に出会うことはほとんどありませんでした。


3日目の10時37分に着いたオートオーガスタです。
9ポートオーガスタ178
開拓時代を思い起こさせる立派な駅舎ですね。
10ポートオーガスタ179
1時間停車するので、街を散歩しました。

ここはアデレード方面への乗換駅、ポートビリーです。
11ポートピリー180
ここで、列車はスイッチバックしてシドニーを目指します。
(現在では運行経路が変更になり、一旦、225キロの先のアデレードまで行って、再びポートビリーに戻ってからシドニーに向かうという往復450キロも余分に走る経路となっています)


その日、ダイニングカーのクルーから素敵なお誘いがありました。ラウンジカーでニューイヤーパーティを開くので参加しないかというのです。この列車に乗ってからすでに3日、クルーと乗客たちは仲良くなっていました。
12NEWYEAR PARTY181
ラウンジカーには世界中からやってきた旅人が集います。でも、列車中探しても日本人は私ひとりだけでした。
13NEWYEAR PARTY182
年が変わるその時が近づくと、皆で声をそろえて「ten・・・nine・・・eight・・・seven・・・」とカウントダウンが始まります。そして、年が明けた瞬間、「Happey new year!」とシャンパンで乾杯し、居合わせた男女がキスをするのです。私も写真のドイツ美女に頬にいきなりキスをされ、びっくりしました!  でも、彼女は夫婦で旅行中なのでした(笑)


楽しかった夜が明け、列車で迎える4日目の朝、羊が水辺に群れる風景が広がっていました。
14羊183
西部は砂漠の多いオーストラリア大陸の車窓も東部に行くに従って変化が現れ、このようないかにもオーストラリアらしい風景が見られるのです。


何度も通ったダイニングカーで最後のランチです。隣にいる彼はイングランドからの旅人でした。
15ダイニングカー184


仲良くなった子供たちです。
17子供たち186
この子たちは、今はどんな大人に成長したでしょうか。


4日目の12時55分、最後の停車駅リスゴーに着きました。
16リスゴー185
ここからはシドニーの近郊区間に入り、ホームにはこの駅始発の2階建ての郊外電車が見えます。


パースを出発してから63時間55分、列車は4日目の15時55分、終着のシドニーに到着したのです。
18シドニー187
シドニーセントラルステーションには、青い空の下、巨大な時計台がそびえていました。
19シドニー188



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テーマ:海外旅行 - ジャンル:旅行

  1. 2013/01/01(火) 00:00:01|
  2. 海外の旅
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