田中正恭の汽車旅日記

ここは、紀行作家・田中正恭 (たなかまさやす) が、つれづれなるままに各地の旅や、鉄道に関する話題について綴っており、原則として毎週日曜日に更新しています。時には鉄道以外の話題になることもありますが、よろしくお願い致します。内容につきましてのご感想や、執筆や講演などの依頼がありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。なお、写真や文章の無断転載はご遠慮願います。

木曾森林鉄道を訪ねて

今週は、木曾の山中、長野県上松町の赤沢自然休養林の中を走る保存鉄道「木曾(赤沢)森林鉄道」をご紹介しましょう。
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木曾森林鉄道は、木曾山中の豊富な森林資源を運搬するため、大正5年に上松~赤沢間の小川森林鉄道の開通を皮切りに次々に敷設されました。この鉄道は林業関係者など地域住民の足として旅客輸送も行ない、戦後の最盛期には57路線総延長428キロにも及んでいました。

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これは、現役時代の森林鉄道の雄姿です。アメリカ製のボールドウィン蒸気機関車が主力機関車として活躍していましたが、昭和35年に引退し、ディーゼル機関車に置換されました。
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しかし、ディーゼル化されるとほぼ同時に、道路の整備とモータリゼーションの急速な発達により、徐々に規模を縮小。上松~王滝間の王滝森林鉄道を最後に、昭和50年に全面的に廃止されてしまいました。

その後、大正から昭和にかけて60年にわたりこの地域に貢献した産業遺産を後世に残そうと、昭和62年に赤沢自然休養林の中に延長わずか1.1キロではありますが、保存鉄道として路線を復活させたのです。
②
現在では、4月末から11月上旬にかけて、森林浴に訪れる人々を乗せてほぼ毎日運転されています。

さわやかな風の中を、列車は小川の流れに沿ってゆっくりと走ります。
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ここは、終点の丸山渡です。この先にも今は使われていない線路が続いているそうです。
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ここで、機関車を付け替えて列車は折り返します。ここで下車して帰路は森林の散歩道を歩いて帰る人もいます。
でも、ここから片道乗車することはできません。

赤沢にはボールドウィン号が昔のままの姿で保存されています。
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大きなキノコのような煙突が特徴的です。こんな形になったのは火の粉の飛散を防ぐための工夫だそうです。

赤沢の森林鉄道記念館には、往年の小さな機関車や客車たちが展示されています。
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これは長さわずか2.2メートル、重さ650キロのミニモーターカーです。さすがに貨車や客車の牽引には使えず、作業現場の見回りや、保守点検、連絡などに使われていたそうです。

これはC4型ディーゼル機関車です。
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昭和33年に製作され、最後まで活躍していました。

これは、マッチ箱のような当時の客車です。
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今は、休憩所として使われています。
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同じ復活させるなら、この車両に乗りたかったですね。

これは珍しい理髪車の内部です。
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山奥で働く人々のための理髪店が森林鉄道の車内で営業していたなんて、面白いですね。
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車内は貴重な情報交換の場であったそうです。

今は、長野営林局が建てた木曾森林鉄道の記念碑が、ひっそりと佇んでいます。
⑭

なお、赤沢自然休養林へは、中央本線上松駅から一日3~4本のバスで約30分です。
昔の写真は森林鉄道記念館からお借りしました。
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テーマ:鉄道旅行 - ジャンル:旅行

  1. 2013/09/15(日) 00:01:42|
  2. 甲信越
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

おもちゃの国の汽車みたいです!!
森の中で材木を運んだりして、メルヘンチックですね。
  1. 2013/09/16(月) 03:08:30 |
  2. URL |
  3. μ #V7Kytoj6
  4. [ 編集 ]

μさん

今はおとぎの国の列車ですが、トラック輸送のない昔は、これで運ぶしかなかったのですよ。
  1. 2013/09/16(月) 21:51:13 |
  2. URL |
  3. Tまさやす #-
  4. [ 編集 ]

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