田中正恭の汽車旅日記

ここは、紀行作家・田中正恭 (たなかまさやす) が、つれづれなるままに各地の旅や、鉄道に関する話題について綴っており、原則として毎週日曜日に更新しています。時には鉄道以外の話題になることもありますが、よろしくお願い致します。内容につきましてのご感想や、執筆や講演などの依頼がありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。なお、写真や文章の無断転載はご遠慮願います。

三笠鉄道村と旧国鉄幌内線

今週は北海道の中央部・三笠市にある三笠鉄道村をご紹介しましょう。

ここは、元々、国鉄幌内線の三笠駅と幌内駅およびその廃線跡にある広大な鉄道博物館です。
この線は幌内炭鉱から採れる石炭を小樽港まで運んで、全国に輸送するために、幌内鐵道として敷設されました。最初の開業は明治15年で、北海道で最初に開通した鉄道です。明治15年というと、新橋~横浜間に陸蒸気が初めて走ってからわずか10年後、東海道本線が全通する7年も前だったのですから、当時、いかに幌内の石炭が重要視されていたかがわかります。

幌内線は岩見沢~幾春別間18.1キロ、および、途中の三笠(旧駅名・幌内太)から分岐して幌内までの2.7キロ路線として、長年にわたって日本のエネルギーを支える活躍をしました。

けれども、石炭産業の斜陽化とモータリゼーションの発達により、昭和62年に百年以上に及ぶ栄光の歴史に幕を攀じたのです。

三笠鉄道村は、三笠駅跡周辺の三笠ゾーンと、幌内駅跡周辺の幌内ゾーンに分かれています。
これは旧三笠駅跡に佇むDD51などの保存車両です。
①旧三笠駅D51
このホームや跨線橋は、現役当時のもので、私も蒸気機関車撮影のために三笠を訪れた時にこの橋を渡ったものです。

これは、三笠ゾーンに保存されているキハ80系です。
②キハ80系
函館から釧路・網走を結ぶ「おおとり」や、函館から旭川への「北斗」として運転されていた特急用気動車です。
運転台のあるキハ82、グリーン車のキロ80、食堂車のキシ80など、6両のフル編成がそのまま保存されているのは、おそらく日本でここしかないでしょう。

そして、三笠ゾーンからは、旧廃線跡を利用した三笠トロッコ鉄道に乗ることができます。
③三笠トロッコ鉄道
これは、自分で運転するタイプで、家族連れが嬉しそうに乗っていました。

こちらは、三笠ゾーンから2.7キロ離れた幌内ゾーンが乗り場のトロッコ列車です。
④トロッコ列車
こちらは機関車の動力で動き、幌内~三笠間の廃線跡を往復します。

さて、ここからは幌内ゾーンです。
これは機関庫を模した展示館に保存されている大正11年生まれの9600型蒸気機関車と、昭和43年生まれのED76電気機関車です。
⑤9600+ED76
ともに長年、北海道内で活躍した機関車です。

そして、これは北海道ならではのラッセル車「キ100」です。
⑥キ100
豪雪地帯のこのあたりでは雪掻き車は欠かせません。

こちらは北海道の急行列車用の「キハ56」です。
⑦キハ56
「宗谷」「狩勝」「大雪」「すずらん」「えりも」など、かつては道内各地で見られたものです。

そして、これは、三笠鉄道村の目玉、昭和14年生まれの「S304」蒸気機関車が、動態保存されています。
⑧S304SL
かつて、室蘭の工場の構内専用線で使われていた機関車ですが、今も元気に汽笛を幌内の山に響かせています。
さらに驚くのは、一般の来園者が講習を受ければ、この蒸気機関車を運転できるのです。、本物の蒸気機関車を運転できるのは、全国でここしかありません。

ミニ新幹線も走っていました。
⑨ミニ新幹線
大人も子供も楽しそうですね。

そして、特急用食堂車「キシ8031」が、レストラン「キッチンポロナイ」として営業していました。
⑩食堂キシ8031

こちらは展示館の内部です。
⑪展示館内
北海道の鉄道の貴重な資料が展示されています。

これは、幌内線で使われていたサボ(行先表示板)です。
⑫サボ
今ではこのようなホーローびきのサボは殆ど見かけることができなくなりました。

2階では、ジオラマの線路を「北斗星」が走っていました。
⑬ジオラマ
なお、三笠鉄道村の営業は4月中旬~10月中旬までで、原則として月曜日は休業です。また、蒸気機関車の運転は土日祭日と夏休み期間中のみとなっています。

さて、これは昭和49年12月の三笠駅構内です。
⑭S49三笠駅
深い雪の中、普通列車と蒸気機関車が停車しています。

こちらは三笠~幌内間を行く石炭列車です。
⑮三笠~幌内SL
猛煙を吐く汽車の咆哮が、山にこだましていました。

そして、幌内線の終着駅だった幾春別駅です。
⑯幾春別駅
今では跡形も残っていないそうです。

こちらは当時の幌内線各駅の入場券です。
⑰きっぷ
入場券と最短区間の乗車券が兼用になっている駅もありました。

三笠駅跡の近くに残る鉄橋跡です。
⑱橋梁跡
そしてこちらは幌内駅跡付近です。
⑲廃線跡
幌内線に列車が来なくなって、早くも27年の月日が流れました。
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テーマ:鉄道旅行 - ジャンル:旅行

  1. 2014/08/03(日) 00:01:10|
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