今週は、全国のJRで唯一の急行列車「はまなす」をご紹介します。
国鉄時代、日本中の数多くの路線に急行列車網が敷かれていました。航空機や高速バス、そしてマイカーも今ほど普及していなかったころ、庶民の最も身近な足として活躍したのが急行列車でした。昭和30年代までは特急は正に特別な急行列車で、運転本数も幹線のごく一部に数往復しかなく、急行列車は正に長距離列車の主力でした。
それが、ヨンサントウと呼ばれた昭和43年10月の国鉄ダイヤ大改正のころから、特急が大幅に増え始めました。

その後、昭和末期までは幹線においては、特急と急行が同じ路線に並走する時代が長く続きました。
昭和40年代の懐かしい急行列車の一部をご紹介しましょう。

これは下関~新大阪を結んでいた急行「ながと」(摂津本山~住吉間)、

こちらは帯広~北見を、廃止された池北線経由で走っていた急行「池北」(仙美里~足寄間)、

そして、これは大阪~富山間の急行「立山」(大阪駅)です。
けれども、その後、各地で新幹線の開業などにより、長距離急行列車の多くは廃止、または特急に格上げされ、中距離の急行は逆に快速に格下げされるなどして、徐々に本数が削減されていきました。
そして、現在、札幌と青森を結ぶ急行
「はまなす」は、日本中のJRで最後まで残っている唯一の急行列車なのです。

上り「はまなす」の札幌駅の発車は22時ちょうどです。「はまなす」にはB寝台車2両、指定席車3両(うち1両はのびのびカーペットカー)、自由席車2両の、合計7両編成です。この夜の寝台車と指定席車はすべて完売でした。
発車を待つ「はまなす」です。

札幌から函館まではブルーに塗装されたDD51が牽引します。

1号車のB寝台車には、エンブレムが掲げられていました。

="0" width="320" height="213" />指定席はドリームカーと呼ばれるグリーン車仕様のリクライニングシートの座席車と、のびのびカーペットカーが連結されています。でも、車体がかなり老朽化しているのを隠せません。
これはカーペットカーの内部です。

一両しか連結されていませんが、急行券と指定席券だけで横になれるので、一番人気のある車両です。毛布や枕も用意されていて、頭の部分にカーテンで仕切りがあるので、ある程度のプライバシーは保てるようになっています。これなら間違いなく高速バスよりもラクなので、十分高速バスに対抗できると思うのですが、一両当たりの定員が25名と、一般座席車よりかなり少ないので、あまり収益につながらないかもしれません。
ドリームカーには、こんなミニロビーの設備もあります。

函館駅には2時52分に着きます。

30分間停車するので、外に出てみました。

深夜の函館駅前には誰もいませんでした。
函館からは向きを変え、ED76が青森まで牽引します。

そして、青森には5時39分に到着します。

北海道新幹線が新函館北斗まで開業する平成28年3月には、廃止されるのではないかと言われています。
けれども、上下線とも常時、かなりの乗車率であり、せめて札幌~函館間だけでも存続してほしいと願っています。
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- 2014/09/28(日) 00:01:17|
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