田中正恭の汽車旅日記

ここは、紀行作家・田中正恭 (たなかまさやす) が、つれづれなるままに各地の旅や、鉄道に関する話題について綴っており、原則として毎週日曜日に更新しています。時には鉄道以外の話題になることもありますが、よろしくお願い致します。内容につきましてのご感想や、執筆や講演などの依頼がありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。なお、写真や文章の無断転載はご遠慮願います。

土佐の海を眺めるごめん・なはり線の旅

今週は、高知県の後免駅から奈半利までの42.7キロを結ぶ土佐くろしお鉄道ごめん・なはり(阿佐)線をご紹介しましょう。

元々、この線は、土讃線の後免駅から安芸、奈半利、室戸、甲浦、海部を経て、徳島県の牟岐線牟岐駅までを結ぶ鉄道として計画された国鉄阿佐線の一部でした。徳島県側からは、昭和48年に牟岐線を延伸する形で、牟岐~海部間11.6キロが開業しました。一方、高知県側からは、昭和40年に一部区間で着工したものの、国鉄の財政破綻により建設が凍結され、一部完成していた高架線が長期間未成線として放置されたため、土佐の万里の長城と揶揄されていたこともありました。

しかしながら、高知県西部を走っていた国鉄中村線を継承した第三セクターの土佐くろしお鉄道が、平成14年に後免~奈半利間を開通させ、着工からなんと37年もの時を経て、ようやく悲願の開業を遂げたのでした。

こちらが、後免駅で発車を待つごめん・なはり線の列車です。
①後免駅
後免はこの線の起点駅ですが、多くの列車は土讃線の高知駅から直通運転されています。

ごめん・なはり線の各駅には、ユニークなキャラクターが立っています。
②ごめんえきお君
これは、後免駅のキャラクター「ごめんえきお君」です。

列車の車体に各駅のキャラクターたちが描かれています。
③キャラクターたち
これらは、高知県出身の漫画家、(故)やなせたかしさんの作によるものです。

御免町付近を行く列車です。
④後免町付近
この線の大部分の区間はこのような高架橋の上を走るため、とても眺めが良いのが特長です。

のいち駅のキャラクターは「のいちんどんまん」。
⑤のいちんどんまん
こちらがのいち駅。
⑥のいち駅
このあたりは農業が盛んな地域です。

夜須(やす)~西分(にしぶん)間をオープンデッキ付き車両が走ります。
⑦夜須~西分
広大な太平洋をバックに列車は走ります。

こちらは同じ場所を行くタイガース列車です。
⑧タイガース列車
沿線にある安芸市で阪神タイガースがキャンプを張ることにちなみ、タイガースのイメージカラーの黄色い列車が走っているのです。この列車は、車内もタイガース一色なので、阪神ファンにはたまらない列車です。

西分駅のキャラクターは「にしぶんつきこちゃん」。
⑨にしぶんつきこちゃん
快速列車は通過する小さな無人駅でした。

和食(わじき)駅付近で奈半利行の列車がやってきました。
⑩和食付近
これは、JR四国の車両です。

オープンデッキ車両から太平洋を眺めます。
⑪和食~赤野オープンデッキ
オープンデッキ付き車両は後免~奈半利間を一日一往復、後免~安芸間を2往復走っています。
⑫オープンデッキ車両内部
安芸発着列車は「やたろう」、奈半利発着列車は「しんたろう」と名付けられていますが、これは、この地方出身の岩崎弥太郎と、中岡慎太郎にちなんだものです。

安芸駅の構内に列車が並んでいます。
⑬安芸駅構内
安芸は、沿線最大の主要駅で、この駅止まりの列車もたくさんあります。

これが安芸駅舎です。
⑭安芸駅
駅の中は、「ちばさん市場」と名付けられた地元の名産品を売る店があります。

こちらは、市内にある「野良時計」です。
⑮野良時計
明治中期に建てられた純和風の時計台で、安芸のシンボルになっています。

伊尾木(いおき)駅でも途中下車をしました。
⑯伊尾木駅
この駅の近くには伊尾木洞という洞窟があり、そこは数多くのシダの群生があります。
⑰伊尾木洞
そこには苔むした古い彫刻があり、ちょっと不気味でした。

安田駅のキャラクターは、「やすだアユ君」です。
⑱安田駅やすだアユ君
このあたりを流れる安田川では鮎がよく獲れるそうです。

その安田町に南酒造場という小さな酒蔵がありました。
⑲南酒造
安田川の清流の水を伏流水とした酒の名は「玉乃井」。
⑳安田駅と玉乃井
もちろん、帰りの列車の中でいただきました。

終点、奈半利駅では「なはりこちゃん」が待っています。
㉑なはりこちゃん (425x640)
奈半利駅は高架線上の立派な駅ですが、この先に延びる線路はありません。
㉒奈半利駅 (640x409)
奈半利から室戸を経て甲浦(かんのうら)までの計画線約50キロは、今後、延伸する見込みはまったくありません。大正11年に制定された鐡道敷設法によって計画された阿佐線は、全通することなくこの駅が終着駅となったのです。









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テーマ:鉄道の旅 - ジャンル:旅行

  1. 2015/07/05(日) 00:01:55|
  2. 四国
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

この路線は昔々乗ったことがあります。
国鉄だったのでしょうか?
室戸は行ったことがありますし、和食は途中駅だった思い出が微かにあります。
  1. 2015/07/06(月) 00:35:49 |
  2. URL |
  3. μ #tDn8Yf16
  4. [ 編集 ]

μさん

コメントありがとうございます。

それは、土佐電鉄安芸線のことですね。この線は、1974年に廃止されました。

廃止されたのは、安芸線に並行して、室戸を経て徳島に至る国鉄阿佐線が建設されることが前提でした。

けれども、、国鉄が破綻して途中まで建設されていた阿佐線は長い間、凍結され、列車の走らない高架橋は土佐の万里の長城と揶揄されていました。

その後、長い時間を経て、ようやく2002年になって第三セクターの土佐くろしお鉄道として開通したのです。

この線を最後に、新幹線や都市近郊路線以外で新規に開業した線はないので、最後のローカル線と言われています。、

ただ、当初計画にあった奈半利から室戸を経由して徳島県境に近い甲浦までの区間は着工の目途がたっておらず、阿佐線が全通することは計画倒れに終わりそうです。
  1. 2015/07/06(月) 11:08:18 |
  2. URL |
  3. Tまさやす #-
  4. [ 編集 ]

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