田中正恭の汽車旅日記

ここは、紀行作家・田中正恭 (たなかまさやす) が、つれづれなるままに各地の旅や、鉄道に関する話題について綴っており、原則として毎週日曜日に更新しています。時には鉄道以外の話題になることもありますが、よろしくお願い致します。内容につきましてのご感想や、執筆や講演などの依頼がありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。なお、写真や文章の無断転載はご遠慮願います。

今はなき同和鉱業片上鉄道

今週から3回にわたってかつて、岡山県を走っていたローカル私鉄をご紹介します。
第1回目の今週は、同和鉱業片上鉄道です。

昭和のころ、同和鉱業は岡山県の片上鉄道と、遠く離れた秋田県の小坂鉄道の2つの鉄道を運営していました。
岡山県の片上鉄道は、柵原(やなはら)鉱山から産出される硫化鉄鉱を片上港に運搬することを目的に、大正12年に片上から国鉄山陽本線に接続する和気(わけ)までが部分開通し、その後、昭和6年に柵原までの全線が開通しました。
鉱物輸送のほか、沿線住民の足として長年活躍していました。
しかしながら、昭和40年代から徐々に柵原鉱山の生産量の減少し、それに伴って旅客輸送も大幅に減少してしまいました。
昭和61年には鉱物輸送がトラック輸送に切り替えられ、その後も細々と旅客輸送を続けていましたが、ついに平成3年に廃線となり、68年間の歴史に幕を降ろしたのでした。

さて、私がこの線を訪れた昭和56年12月のようすをご紹介します。

これは起点の片上駅です。
①片上駅舎
国鉄赤穂線の備前片上駅から歩いて10分ぐらいのところにありました。

片上駅で発車を待つ列車です。
②片上駅ホーム
この駅は鉱山から運ばれて来る硫化鉄鉱を片上港から船で運ぶために設置された駅で、広大な貨物ヤードの中に小さな気動車がポツンと止まっていました。

なんとも味わいのある駅名票ですね。
③片上駅名票

そして、これは列車に掲げられたサボ(行先表示板)です。
④サボ

こちらは山陽本線と接続する和気駅です。
⑤和気駅絵金と乗客
片上鉄道でもっとも乗降客の多い駅でした。
(なお、ここに写っているキハ303は現在も動態保存されています。)

和気駅にも多くの貨車の姿が見られました。
⑥和気駅

和気駅にあった沿線の名所案内板です。
⑦名所案内
吉ケ原(きちがはら)から津山へのバス路線は今も走っているそうです。

こちらは終点の柵原駅です。
⑧棚原駅ホーム
背後には同和鉱業柵原鉱業所がそびえ建ち、いかにも鉱山の駅という風情でした。
⑨棚原駅名票

これは、柵原駅舎です。
⑩柵原駅舎
三角屋根のお洒落な駅舎でしたが、廃線後に解体されてしまったそうです。
けれども、同じ造りの隣駅の吉ケ原駅舎は「柵原ふれあい鉱山公園」の中に保存され、そこでは、今も多くの車両が動態保存されているので、機会を見つけて、是非、再訪したいと思っています。

これが、当時の乗車券類です。
⑪硬券切符
⑫車内券
車内券には全駅が記載され、一番上の柵原には鉱山のマークが、一番下の片上のところには、港のマークが印刷されていることが、この線の特徴を表しています。

そんな片上鉄道が役目を終え、岡山県の地図から消えてから、早くも26年もの年月が過ぎてしまいました。

来週は、国鉄宇野線の大元駅から分岐していた岡山臨港鉄道をご紹介します。
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  1. 2017/06/04(日) 00:03:07|
  2. 中国(山陰山陽)
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